紅の貴婦人と呼ばれる、ベニバナヤマシャクヤク、「立てば芍薬」と例えられるとおり、スクッと伸びた茎が印象的だった
記 録2011年06月19日(日)   天候:雨 
メンバー 【コンパス例会】
鈴北さん・又三郎さん・みかんさん・マリリンさん・たらちゃん・SACHIさん・ジャンママさん・ジャントニオさん・てでぃ(9名)
アプローチ 阪神高速神戸線・姫島入口[7:30]〜南阪奈道・高田バイパス橿原出口〜R165〜R309〜天川・川合〜虻トンネル・観音峰登山口[9:20]
コース・タイム 登山口[9:45]〜[11:24]観音平[11:40]〜[12:10]観音峰山頂[12:35]〜[13:07]玉八大権現・東屋・昼食[14:11]〜登山口[14:48]〜洞川温泉[15:05]
地図 国土地理院 1/25000 南日裏・弥山 [奈良県] 
メモ   生憎の雨のそぼつ梅雨空だった、久々の自分の企画以外の例会参加、後ろめたさを感じながらの参加だった。今日の例会は、紅の貴婦人と呼ばれる紅シャクの観察と、GWに亡くなった「こはるさん」を偲ぶ会を目的としていた。
山は季節・天候で変化します。ここに掲載した記録・写真等は実際の山行には参考程度に留めて下さい。
備忘録



  マクドでコーヒーとバーガーを仕入れ、高速に乗った。昨日来の雨は上がっていたが、橿原、大淀、黒滝と大峰に近づくにつれ、またパラつきだした。本日の近畿南部の降水確率は80%、今日の山道はよく踏まれた道なので、少々降っても問題ないのだろう、お目当ても景色よりもお花だから、中止の理由にはならないようだが、雨を嫌う方が何人か欠席されたようだ、少し残念な気がしたが人それぞれの考え方だろう。
  最近は来る機会が増えていた大峰、僕を大峰に最初に誘い出した張本人が居なくなった今、大峰での例会参加は貴重なのかもしれない、初めて来た大峰は増水の前鬼川だった、黒部の奥の廊下を彷彿とさせる景観と水量に感動した、違いは瀬の速さがそれほどでもないのと水温が高かった事だったか、そんな中、帰路の沢中、最深部は胸近くまである渡渉、練習をしたいと云った、3度も流されながら、それでも4度目には渡りきった、最初は好きにすればいい、と思ってはいたが、食らい付いてくるので教えざる得ない、足底が浮いたら足が流される、すり足や、下流に向かっても駄目、極力少し上流に向かうようにコース取りをしろと怒鳴っていた、、、そんなこともあったか、と想いながら、天川川合を過ぎ洞川方面へ曲がり、登山口に到着した、すでに1名を除き全員到着されていた、初めてお会いするジャンママさん、ジャントニオさんに丁重にご挨拶する。出発の準備をしながら久々のメンバーの方たちにもお話しし、時間は過ぎていき、下山予定地への車のデポが終わり、定刻どおりの出発となった。相変わらず小雨は降っていたが、僕は雨具を着ずに傘で行くことにした。
  最初は植林帯を行く、すぐに第一展望台、山肌にガスが巻きつき、さしたる展望もなかったが、普段は見れない光景であることには違いなく、少し見入ることになる。枝沢を渡り越える度に、苔むした岩肌を流れる小さな流れに、「わびさび」の無上の美を感じ、世の儚さを恨む。手入れの行き届いた薄暗い植林帯にも花たちは咲き誇っていた、それらを鑑賞しながらの、ノンビリとした歩きだった。自然林が現れ出すと、恩賜の東屋に到着した。



虻トンネル横の観音峰登山口にある東屋 東屋から目の前を流れるミタライ渓谷 小雨は降っていたが、吊橋を渡り出発



第一展望台からの景色をカメラに収めてるSACHIさん、いい雰囲気だった。



苔むした岩肌を流れる枝沢の水量も今日は多いのだろう 手入れの行き届いた吉野杉の植林帯を歩く



フタリシズカ コアジサイ



玉八大権現の標石 趣のある場所に建てられている東屋 菊の御紋が恩賜の証



  東屋で少し休み上を目指す。雨は少し小止みになったかと思うと、時折強く降ったりしていた、いつしか幽玄のブナの森に入り、思わず足を止め見入ることになる、ひと時の平安にしか心が癒されない自分が情けない。少し陽が差し込み出したかと思うと疎林になり、登山道脇に今日のお目当ての「紅の貴婦人」、ベニバナヤマシャクヤクを見つけた、勿論、ワイワイとしばしの撮影タイム、少し上がると展望が開け、眼前に「観音峯展望台」の碑石が眼に入った。



生憎の梅雨空に陽の差し込まない幽玄のブナの森は神秘的だ



前方が明るくなった、登山道脇にお目当ての花があった ベニバナヤマシャクヤク、真っ直ぐ伸びた茎の先に紅の花



尾根筋が開けると、眼前に「観音峯展望台」の大きな碑石が眼に入る、右奥の山が観音峰のようだ



  観音峯展望台には、すでに同じお花目当てのパーティが数組、咲いてる場所を教えて頂き、我々も鑑賞に出かけるが、雨で濡れた斜面はズルズルだ、植物を傷めないようにしながら、慎重に探すと、数株が咲いていた。毎年来られる方によると、随分と減ったというお話だった、勿論盗掘や我々登山者が痛めつけてるのだが、一番は外来種のジキタリスの繁茂が原因らしい、確かにそこいら中に真っ赤な花をこれ見よがしに咲かせていた、それはそれで美しいと思うのだが・・・残念なことだ。僕はお花の鑑賞は早々に切り上げ、尾根筋からの展望を撮影していた、雨も一時的に上がり、ガスが切れ、東南方向に1月に歩いた大日から稲村ヶ岳がくっきりと出ていた、今冬、厳寒の大日岳直下で撤退を言い渡した僕に、抗議の怒った眼線が昨日のように思い出される、これもまた記憶からすぐに消えそうだ、ここに記せば、また思い出すこともあるだろうか、、、。そんなことを考えながら、尾根道をゆっくり上がっていた、鈴北会長と二人、ゆっくりと観音峰へ向け先行する。



山頂の岩横に三角点の標石 この株は、まだ蕾だった 陽が差さないので、開きがわるいのか・・・



展望台よりちょっと上がった尾根筋、中央にポッカリ飛び出た大日岳の円錐はよく分かる、1月の大寒波の日の事を思い出す



先行する鈴北会長を追う、思うところがあるのだろう、足取りは重そう また、雨が強まりガスが流れる



  すぐに全員が観音峰山頂に到着した、フラッグショットを撮り例会を一時締めた。そして事務局主催で、このGWの4月30日15時15分、鹿島槍南峰山頂にて被雷遭難した本会会員の「こはるさん」を偲ぶと共に、会としての鎮魂供養の式を厳粛に執り行った。この一年、大峰に足繁く通った彼女にはふさわしい場所だと感じた、大好きな花たちが咲き誇り、生き生きとしたブナの新緑に囲まれたこの場所に、みんなの顔を見に、天空の彼方から、天女のごとく飛来してくれれば、きっと喜んでくれるだろう。標石の上に簡単な祭壇を設営し、一房の花と一合の酒、そして昨年春に、やはり、この大峰の行者還で彼女の企画で行った例会時の集合写真が飾られた、写ったその顔を改めてみると、また目頭が熱くなる。各自の焼香を済ませ、全員で黙祷した、悔しかったのだろう、僕の耳元では、彼女の涙雨の音がずっと大きく響いていた。式後、献杯し、お酒の好きだった彼女のお相伴にあずかった。会長の挨拶の後、一言喋れと云われ、話し出したが、恥ずかしながら言葉をつまらせ醜態を晒してしまった、歳がいくと涙もろくなっていけない、お許しください。



始めて来た観音峰山頂、この時はガスに煙り、他パーテイも来ず、静けさを保っていた、厳粛な雰囲気の中、鎮魂式を執り行った



全員で黙祷 献杯、会長のご挨拶 祭壇を前に全員で記念写真



  山頂滞在中、他パーティが現れず幸甚だった。昼食を東屋で摂るべく、下山開始、途中、50人ほどの大パーティとすれ違う、ちょうどよかったと思った、ドロドロのぬかるみに、時折足を取られながらも、来た道を引き返す、雨でなければ、洞川温泉に直接下山の予定だったが、道のない尾根筋の下山で滑って怪我をしてはいけないので、ピストンは正解だと思う、無理をする必要はない。再度、また観音平を過ぎ、恩賜の玉八大権現の東屋に到着、ちょうど先行パーティが食事を終え、出発するところだったので貸切での食事だった、今日は女子部の方々が、スパゲッティを作ってご馳走してくれました、おまけに色んなデザートやシソ酒まで飛び出し、たくさんご馳走になりました、僕はビールを1.5L提供しました(^^ゞ
  食事を終えて、ゆっくりと下山、帰りもお花を観賞しながら、雨も上がった登山口に無事到着、全員で洞川温泉へ入浴のため向かった、温泉も比較的空いていて、のんびりと入浴できた。入浴後、二階の休憩室で、思い出話に花を咲かせ解散した。



再度、雨にそぼつ幽玄のブナの森をゆっくりと撮った



上から見下ろすと、趣のある東屋だと思う 昼食は女子部が、水のいらないおいしいスパゲッティを作ってくれた



植林帯の山道を、下るのみ 吊橋を渡り、無事、登山口に下山、雨も上がっていた



洞川の日帰り温泉の入口、いいお湯でした 温泉入口横に「白の貴婦人」も一厘咲いていた







  雨の大峰、何度かこの地に足を運んだが、確かに晴れの日に来る事のほうが圧倒的に少ないと感じる、まあコース次第だが、これはこれで雨だからつまらないということはない、むしろ雨の日だからこそのコースの美しさや難易度を楽しむことも出来ると思う。あわせて今日は故人の七七日の喪が明け、会としてのひとつの区切りの日でもあった、その例会に参加することで、僕自身にも区切りをつけたいと思っていた、故人の終焉の地に足を運ぶつもりはない、しかし故人の愛した山々を、何を想い感じながら歩いていたかを知りたいとは思う、素敵な女性、そして山女だった彼女、今は安らかに眠って欲しいと、山への再度の祈りを捧げることしかできない自分が、ただ悔しかった。